(仮訳)イランにおけるHypoxylon rubiginosum複合種の新種の発見、およびHypoxylon属菌のトネリコの立ち枯れ病の病原菌、Hymenoscyphus fraxineusに対する対峙培養での拮抗活性
Pourmoghaddam, MJ. et al., 2020. Discovery of a new species of the Hypoxylon rubiginosum complex from Iran and antagonistic activities of Hypoxylon spp. against the Ash Dieback pathogen, Hymenoscyphus fraxineus, in dual culture. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/50946/ [Accessed May 5, 2020] 【R3-07288】2020/5/5投稿

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3行まとめ

Hypoxylon rubiginosum複合種の菌について、HPLC-DAD/MSおよび分子系統解析による化学分類学的検討を実施した。
イランにおいてコナラ属およびサワグルミ属の材に生じた菌をH. guilanenseとして新種記載したほか、2種の新種候補を報告したが、正式記載は見送った。
本新種を含むアカコブタケ属菌を用いてトネリコの立ち枯れ病の病原菌、Hymenoscyphus fraxineusに対する拮抗活性を調査し、広範な効果を認めた。
Iran, Guilan Province, Rasht County, Saravan forest

(新種)

Hypoxylon guilanense Pourmoghaddam & C. Lambert
語源…ギーラーン産の
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon texense
ルビギノシンAおよびミトルブリノールアセタートを産生する
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で近縁(同じH5クレードに含まれる)
本種と異なりイランではなく米国などに分布する
本種と異なり子座が半球形~クッション形ではなく平らに広がる~広がったクッション状
本種と異なり子座が”sienna”、黄褐色~琥珀色ではなく帯ワイン色~帯ワイン褐色
本種と異なりKOH溶出性の色素が橙色ではなくさび色~暗レンガ色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子表面の発芽溝が直線状ではなく直線状~僅かにS字状
本種と異なりアナモルフが知られている
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypoxylon rubiginosum(アカコブアザタケ)
KOH溶出性の色素が橙色
子嚢胞子表面の発芽溝が直線状
ルビギノシンAを産生する
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で近縁(同じH5クレードに含まれる)
本種と異なりイランではなくヨーロッパ、北米などに分布する
本種と異なりコナラ属ではなくトネリコ属を含む様々な被子植物に生じる
本種と異なり子座が半球形~クッション形ではなく広がったクッション状
本種と異なり子座が”sienna”、黄褐色~琥珀色ではなく暗レンガ色、帯ワイン褐色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なりアナモルフが知られている
本種と異なりBNTなどを産生する
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypoxylon petriniae
子嚢胞子表面の発芽溝が直線状
ルビギノシンAを産生する
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で近縁(同じH5クレードに含まれる)
本種と異なりイランではなく西欧、中欧などに分布する
本種と異なりコナラ属ではなくトネリコ属、カエデ属、ヤナギ科植物などに生じる
本種と異なり子座が半球形~クッション形ではなく不規則に平らに広がる
本種と異なり子座が”sienna”、黄褐色~琥珀色ではなく淡紫色、帯ワイン色~帯ワイン褐色
本種と異なりKOH溶出性の色素が橙色ではなく橙色~さび色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なりアナモルフが知られている
本種と異なりマイトルビシン、ルビギノシンB-C、ルビギノシン酸、ダルジニンCなどを産生する
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypoxylon cercidicola
無性世代が知られていない
ルビギノシンAを産生する
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で近縁(同じH5クレードに含まれる)
本種と異なりコナラ属ではなくトネリコ属植物などに生じる
本種と異なりイランではなくヨーロッパ、北米などに分布する
本種と異なり子座が破出性
本種と異なり子座が半球形~クッション形ではなく盤状
本種と異なり子座が”sienna”、黄褐色~琥珀色ではなくセピア色~暗レンガ色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子表面の発芽溝が直線状ではなく直線状~僅かにS字状
本種と異なりマイトルビシン、ルビギノシンCなどを産生する
ITS+nrLSU+rpb2+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される